くそったれなクルマ社会

この世界、少なくとも日本の社会はクルマ社会である。血管のように道路網が整備されている。血管のように物質を末端まで伝え、逆に末端の物質を回収している。クルマを前提に生活が営まれ、個々人が自由にクルマを乗りこなしている。それは、私の乏しい語彙の中でいちばんしっくりくる語で形容すれば、くそったれな社会である。もうちょっと婉曲的に上品に言えば、狂った社会、呪われた社会である。

ドライブという概念がある。「職業的」ではなく「ヒトやモノを運搬する目的」ではない目的でクルマを動かす行為である。クルマ社会の狂気を端的に現す概念である。