2008-10-21の読みさし
セクシーな数学―ゲーデルから芸術・科学まで:60%
数学も物理学みたいに(擬似)実証的に行こうよ、というメッセージが貫かれているように思う。面白い。リーマン予想は役に立つし、みんなが「偽であるには美しすぎる」と思っているんだから、公理として追加しちゃおうよ、みたいなノリで取り組むのもいいんじゃない、数学も、というところか。コラッツの問題(角谷の予想)も公理にしちゃおうよ、というのは、リーマン予想を公理にしちゃおうよ、というの比べてどれくらい乱暴なんだろう。
ゲーデル、チューリング、チャイティンの系譜がチャイティン自身で示されていて興味深い。思考の道具箱―数学的リアリティの五つのレベルに書かれていたときからチャイティンの仕事は進んでいるだろうから、その辺を読みたい。知の限界、
数学の限界はあるけど、三部作の最後Exploring RANDOMNESS (Discrete Mathematics and Theoretical Computer Science)の訳は出てないのかな。
メタマス!―オメガをめぐる数学の冒険も図書館にあったし、ちと見てみるか。
マックスプランクの言葉として紹介されている、新しい科学理論は反対者を説得して勝利するものではなく、反対者が死に絶えることによって反対されなくなる、というのが面白かった。科学がまっすぐに着実に進んできた、という思いは幻想だ、という同じテーマに、スティーブン・J・グールドがまったく逆のようなことを言っていたのを思い出した。歴史家は、新しい科学理論を提出した人(たとえば進化論のダーウィン)は、その時代の旧い考えの科学界を超越した、少し未来を先取りしたかのような考え方を示したと描きがちだけど、実際はその人の思考様式、よっていたパラダイムもその時代のものであった、ということ。確か、そんな感じだった。また読み返して見ないとな。
理系なら知っておきたい生物の基本ノート―細胞生物学・遺伝学編:ななめ読み 100%
理系なら知っておきたい生物の基本ノート―細胞生物学・遺伝学編
- 作者: 伊藤和修
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でも、内容的にはいいと思うな。いや、でも何か足りない気がする。「六法全書をマンガにしました! という本で、確かに絵が書いてあるんだけど、用語はすべてそのままでその説明も特にされていない」ような感じを受ける。話の展開も突然だし。最初からこれだけの内容をこれだけの厚さに収めるという無理をしていることが最大の問題なのかな。でも、きっと今の若い人にはこれがわかりやすいってことなんだろうなあ。おじさんにはわからないけど。
斜めにのびる建築―クロード・パランの建築原理:ななめ読み 2%
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