2008-10-22の読みさし

セクシーな数学―ゲーデルから芸術・科学まで:100%

予想したよりも面白かった。正確には、題名だけ見て借りることを決めた際に持っていた、チャイティンの理論の概説本だろうという期待は、なんだ(インタビュー+講演)集か、という落胆に変わり、でも読んでみたらチャイティンの人となりもわかって面白かった、というところ。大学に入学した直後、大学の図書館で数学史の本を初めて読んだときに感じた、数学も他の学問と同じく生身の人間が作ってきたんだ、無味乾燥な世界でなく、泥臭い人間臭いという意味でも豊かな世界なんだ、と知った感覚に近いかな。

コンピュータに関する言説も興味深い。「コンピューターは、数学にとっての実験室であり、それは、物理実験室が物理学の実験的内容であるのとちょうど同じ」という言説はまだ穏健だと思うけれど、「コンピューターは、数学に基礎についての問題、数学の基礎についての哲学的問題を明確にするために発明された」という言説には驚かされた。なるほどねえ。

あ、あと完全に補足的だけど、ルーカスの二項係数に関する定理ってすごいな。私自身も二項係数の一般化を(個人的な趣味として)研究していたことがあるけど、こんな定理が存在したなんて。ときおり思い出して手がけてはとまっている七五三の研究も関連しているかなあ。

誰もが知っているはずなのに誰も考えなかった農のはなし (ASAHI ECO BOOKS):0%

題名からして面白そうだ。なんたって長い。
最近、ASAHI ECO BOOKS づいているな。エコってことば、好きじゃないんだがなあ。ま、関係ないか。