「父」とシステム、そして

「父」からの離脱の方位 - 内田樹の研究室を読んで。

私たちは「父」を要請してはならない。
たとえ世界のかなり広い地域において、現に、正義がなされておらず、合理的思考が許されず、慈愛の行動が見られないとしても、私たちは「父」の出動を要請してはならない。
「ローカルな秩序」を拡大しようとするときも、ひとりひとりの「手の触れる範囲」を算術的に加算する以上のことをしてはならない。
私は「父権制イデオロギー」に対する対抗軸として、「ローカルな共生組織」以上のものを望むべきではないと考えている。

この「ローカルな強制組織」は、マルチチュードに通じるものがあるように感じる。ちょっと違っているかもしれないけれど。

村上春樹はまったく読んだことがないし、関心もないけれど、内田樹が読み解いた村上春樹と、「手の触れる範囲」を越えて何かすべきではない、という私自身の考えとは一致している。