2009-08-26の読みさし

娘たちへ 母から娘に伝える人生に大切な80の知恵:50%

娘たちへ 母から娘に伝える人生に大切な80の知恵

娘たちへ 母から娘に伝える人生に大切な80の知恵

社会民主党党首、あの福島みずほさんの著書。装丁がかわいい。
内容としては、自分の娘やその年代の人への「女性として生きていくうえでのアドバイス」が愛をもって書かれている。のだが、私には福島みずほ的「私の半生の肯定」と読めた。つまり、こうするといいよ、こういうことに気をつけるといいよ、というアドバイスが、「私はこうやってきた、そしてそれは間違っていなかった」「私はこういうことに気をつけてきた、そしてそれは間違っていなかった」という表明 (というよりもむしろ確認か) に感じられた。たとえば、次のような文章がある。

たとえば、「子育てが大変だから、残業はできません」という人は少なくない。
もちろん、それは正当な権利だけど、夫の手を借りずに、彼女が育児を一手に引き受けることが、
実は職場の迷惑になっているかもしれない、ということを少し考えてほしい。

これは福島さん自身が子育てを仕事のエクスキューズに使わないように心がけ、そして実践してきた、ということの表明であろう。
ちなみに、私はそういう表明が悪いとは思っていない。愛をもってなされるアドバイスというものは、そういうものだろう。反対に自分はこうやって失敗したから、人にはそうしないほうがいいよ、という類のアドバイスもありえるけれど、この本からは今のところ、その手の言葉は出てきていない。

この本は総じて「どうということのない本」だと思う。蒙を啓かれる言葉に出あうこともないし、過激な主張に驚くこともない。普通の母が普通の娘に向けて普通の愛情を込めて贈る言葉が綴られていると思う。細かいところで福島みずほ福島みずほたるところが出てくるのであるが、その情報が役に立つのは福島みずほ自身に興味がある人だけだろうと思う。他人にはすすめない類の本である。

というような本をなぜ私が読み、書評まがいのものまで書いているのか、というと、私はちょっと福島みずほさんに興味があるからである。私の直感では、メディアに切り出された福島みずほ像と実際の福島みずほという人物とではだいぶ乖離がある。その乖離は、本人が演じている部分もあるし、メディアが都合のよいように切り出している部分もあるが、近親者が見たら、損な役回りをさせれていると感じるのではなかろうか。その乖離が生じた主たる原因は、なんの因果か社民党の党首になってしまったことなんではないか、と考えている。

ということで、後半も、福島みずほという人物を窺い知れる、という以外には期待することなく (下に置くとむずかる子どもを抱きつつ) 読み進める予定。という予測が裏切られたら面白い。

冬虫夏草ハンドブック:1%

冬虫夏草ハンドブック

冬虫夏草ハンドブック

冬虫夏草好きにはたまらない一冊ではなかろうか。写真一枚一枚に愛情と執念とを感じる。文章も生き生きとしている。読み終えたころには、自分も冬虫夏草を掘り出したくなっていることだろう。