2008-12-22の読みさし

介護の大誤解! (介護ライブラリー):100%

読了。
5 章「認知症ケアの誤解」では、痴呆を「認知症」という病気という型にはめて捉え、それ以外の捉え方を阻害している現状を指摘している。
指摘のとおりだと思う。このなんらかのラベルを貼りつけることで、創造的で想像力に富んだ適応的な対処を阻害してしまう図式は、痴呆に限らずにあちこちに蔓延していると、私は感じている。ニートとか、うつ病患者とか、非正規雇用労働者とか。

司馬遼太郎全集〈27〉世に棲む日々 (1973年):52%

なるほど、つれあいが指摘していたように、司馬遼太郎の筆が描き出す松蔭の性格は、私に似ているところが多い。自ら戒律を作り、それを頑なに守っていくところ、でもその戒律を人に押し付けようという発想はまったくないところ、相手を言いくるめるためではなくて、論理的に正しいことを示すために、理屈をとうとうと述べようとするところ、自らの行動を理論に基づいたものにするために理論も行動も純化しようと努力するところ、など。こんな人と生活する人はたいへんだろうなあ、と思ってしまう。
ただ、松蔭の底抜けの明るさ、人のよさ、これは私にはない。

物語の主人公は高杉晋作に移った。