2009-05-23の読みさし

社会的共通資本 (岩波新書):35%

第 2 章、「農業と農村」まで読んだ。

著者の言っていることはそれぞれわかるが、根本となる思想が十分に汲み取れていないので、たとえば、農家への直接の所得補助をすべきという論と、農社という提言の理論的整合性、実践的整合性がわからない。グリーンツーリズムは農社にとって有効なツールとなりえるものなのか、あるいは百害をなすものなのか。農社という考え方と、力の経営体にあらゆる資源を集中させようという農政とは同じ方向を向いているのか否か。

それはさておき、農村出身は人間的に魅力的な人が多い、というような論は、全体の主張の論理的な強度を下げてしまうのではないか、と思ってみたり。それとも、我々は論理的に強固に主張できないなにか大切なもの、「論駁されえないようにできない」からこそ大切なもの、というものを持っている、ということなんだろうか。

他の章も読んで社会的共通資本に対する理解を深める必要がありそうだ。