科学の進歩が人間を含めた身近な動植物を病弱にしていく

医療の進歩によって、死ぬべき命が死なずに長らえるようになってきている。環境に適したものが残り、不適なものが死ぬことで進化してきた我々は必然的に過剰に子孫を残す。そして、そこには死ぬべき命が含まれている。最近読んだメタマス!―オメガをめぐる数学の冒険でも奇しくも指摘されているように、医療の進歩が人類を病気にしている。

農業も複数の意味で動植物を弱らせている。まずは品種改良。これは生物として自立して子孫を残せないほどの奇形を作り込むことにほかならない。農薬の使用、施肥、これらもそれ自身としての力で生き抜いていけない生物を、どうにか助力して生きていけるようにしていく作業だ。つまりは、生物群総体としては軟弱な方へ、奇形が増える方へしていくことが農業のなしていることだ。養殖も同様。