思考

日本語以外読まない技術者

次のブログエントリにもらったコメントから派生して。 アプリケーションのテスト用に便利なメールサービス PapaVelio、ゆるゆるとスタート - 昨日知ったこと 日本語以外読まない技術者は多いだろう。10 年前、Java の技術者を名乗る人は、日本語以外、要は英…

市場原理に組み込んではいけないものは何か

大学は市場に選別されるのか? - 内田樹の研究室 ↑の内田樹氏のブログエントリを読んだ。氏は教育に市場原理を導入することに異を唱えておられる。市場原理に取り囲まれて育ってきた人間は、ともすると、市場原理の世界に○○を組み込むべきか否か、という問い…

社会保険料を低く抑えようとしない、という選択

健康保険の傷病手当を受給しはじめて 15 ヶ月が経つ。一時はまっとうな会社員と遜色ない勤務時間を確保できたのだが、現在はあまり芳しくなく、会社に顔を出すのはいいとこ週一、という生活が続いている。 傷病手当の受給可能期間は最長 18 ヶ月。ここ数ヶ月…

文化進化論、という不適切な名づけ

通常、文化進化論という語で示されるのは、あらゆる文化は未開から原始、狩猟、農耕、工業、情報というように一方向へ進んでいく、という見方を表わす。そういう意味ならば、「文化定向進化論」とすべきである。なぜなら、生物は単純なものから複雑なものへ…

最先端のリッチな情報は要りません

マスメディアでは、とかく、より新しく、より現場に近く、よりリッチなチャンネルで事件を報道しようとする。ジャーナリズムの精神として、ある意味正しいのだが、疑問に思う報道も多い。 なぜ警察が現場を厳重にブルーシートで覆わなければならない? なぜ…

想像できないけれど想定できること - 困ったさんへの対処

共同作業する上で困った人 「何でそんなことするのかな。理解に苦しむ。こっちもそれで被害をこうむるんだけど。」というような人に出会うことがある。単に出会う、というよりも、自分がしようとしていることが一人でやることではなくて、人と共同しながらや…

マイノリティの権利拡大と線引き

不可視化された「異常」により、抑圧された人々がマイノリティとしての自覚を持つ。そして可視化の運動を行い、権利拡大の運動を行う。権利が法的に担保されると、それは必然的に線引きを産む。その法は、線引きによって救済されないマイノリティの中のマイ…

議論のしかた、が本になってる

ネットやメールなどで議論の方向性がおかしくなったときに、私が「私はこれに賛同します。」と示している議論のしかたが、本になったようだ。議論のルールブック (新潮新書)作者: 岩田宗之出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/10メディア: 新書購入: 10人 …

変節という美徳

変節は美徳とは言いがたい。潔さと同じくらい、美徳とは言いがたい。

家族の機能不全を防ぐ政策の提言

現在、起こっている、そしてこれから発生するであろう多くの社会問題は、「個人の尊重」と軌を一にして進んできた「一世帯数の人数の減少」に起因していると考えている。核家族化、晩婚化、離婚率の増加、独居老人の増加、これらは家族のありかたの多様性と…

体の性、心の性、遺伝的に決まる性はどちらか

なんとなく 体の性 遺伝的に決定される性: 心の性 発生時に決定される性: というイメージを持っていた。心の受け皿である体が先に遺伝的に決定(その際に属性として体の性が決定)し、その上で発生や成長に応じて心が形成されていく(心の属性としての性も定…

クローズアップ現代「振り込め詐欺 なぜ減らないのか」

昨日、たまたま NHK 総合 19:30 からの「NHK クローズアップ現代+」で振り込み詐欺について取り上げていたのを途中から聞いた(映像はほとんど見てない)。いくつか自説に絡む部分が放送されていた。メモしておこう。 振り込め詐欺(および類する詐欺)に注…

私は募金しません

なぜだろう。そのうち、よく考えてみよう。

振り込め詐欺(および類する詐欺)に注意を喚起する人に注意を喚起してみたい

振り込め詐欺に対して有効な注意文言 振り込め詐欺に注意を喚起する文句が増えている。テレビニュースでアナウンサーが口にし、ATM に、金融機関の窓口にポスターが貼られ、自発的に振り込め詐欺撲滅運動をする行動で示している。そこで使われる文句、行動、…

消費者っていつからこんなに偉いの

何も生産せず消費するだけなのに。

年をとる、ということ

年をとる、というのは否定的な変化だけをもたらすのではない。肯定的な変化ももたらす。だが、いちばん多くもたらされるのは、否定的でも肯定的でもない変化だ。

生をコントロールすることの正統性の由来

生のコントロールの正統性はどこから来ているのだろうか。 農業 ペットの飼育 子育て 病人の面倒 医療 動物実験 養殖 園芸 殺菌 品種改良 製薬

事業破綻に伴う説明会におけるサービス利用者の怒り

不景気の折、金融危機のあおりを受け、事業破綻する企業が少なくない。あるサービスを提供している企業が破綻し、そのサービス利用者に対する説明会を開く図をしばしばテレビで見る。事業存続のために利用者から集めたお金も使ったけれど結局資金繰りが追い…

失言大国

舌禍事件、というか「誰それがこんなことを口にした」という失言の報道が多い。またか、という印象を受ける。私が見るところ、これらの舌禍事件は「メディア」と「公憤に駆られたあまり賢くない人」によって作られている。ある人があるコンテキスト*1の元で…

スポットアウト - スポットライトを当てると、その周辺が見えなくなる現象

ある箇所がスポットライトを浴びると、その箇所の周辺が、相対的に暗くなって逆に見えにくくなってしまう。この現象を表わすことば、もしくは、こういう効果を表わす言葉は存在するだろうか。存在すればそれを使いたいが、そうでなければ「スポットアウト効…

ネガティブなニュースを見ない件

ネガティブなニュースを見ない、ことをよしとしつつ、ネガティブなニュースを流すことにより「ネガティブなニュースを見ない」に反する行為を他者に強要してしまったと考えている人に。「ネガティブなニュースを好んで求める」のと「ネガティブなニュースを…

死ぬべき命が生かされ続けることによる生物的、社会的危機

死ぬべきだった命が生かされ続けている現在。さらに「死ぬべき度合いの高さ」はより高くなっていき、「生かされ続ける長さ」はより長くなっていく。この「べき」は生物学的、というか進化論的には「そうするのに値する、そうしなければならない」という意味…

履歴書を書く面倒くささはどこから来るか

履歴書を書くのは面倒くさい。今履歴書を書いているわけではないが、過去に書いたときはどれも面倒だった。この面倒くささは、イベント(履歴書に書くべき事項)の発生時刻と履歴書の作成時刻が分かれていることに起因すると思われる。履歴書の作成時刻自体…

法治国家に生きるということ

法体系の分解 法に対してこういう還元的な手法が有効かどうかわからないが、法体系は細分化していくと、「○○という条件の下では、△△しなければならない。これを守らなかった場合××という罰則がある」という形式の命題の集積になる。これを条文、と呼ぶことに…

国境が国を作ったのか、それとも国が国境を作ったのか

ふと思った。なんとなく国ができ、その境目に国境ができたのかと思っていたけど、ほんとうは何か共的なものを、排他的所有するために権力が設けた区別、その地勢版が国境であり、区別によって分断されたもの、その地勢版が国なんじゃないか、と。

本来的に多元的で複雑な系をシンプルにコントロールしようとすると、コントロールおよびそこからの逸脱双方の振幅は、系の破滅まで大きくなっていく

世界の警察たるアメリカ合衆国の政治権力。巨大多国籍企業による世界経済のコントロール。抗生物質による病気のコントロール。単一種大規模農法による動植物のコントロール。コントロールを強めようとするとほころびが見え、そのほころびを繕うのにコントロ…

私憤のススメ

公憤や義憤を(明に、あるいは暗に)掲げて情報発信、行動をするとうまくいかないことが多いんじゃない? それより、私憤ベースのほうが動きやすいんじゃない? 少なくともそれ相応の労力と社会的責任を負う覚悟がない限り、私憤に留めておくのが無難じゃな…

我々はいつから消費者という立場を固定的に取り続けるようになったのか

消費者というのは、貨幣経済において、ある商品がそれ以上貨幣に交換されないロール(役割?)を表わす語だと思う。逆にある商品を取得し再び市場に供給するのに貨幣との交換以外の手段を用いるロールが生産者、ということで。ここで前提になっているのは、(…

たかが法案が議会で否決されたくらいで

平均株価がこんなに下がってしまう、というセンシティブな仕組みは、どのように作られていったのだろう。そしてそれは歴史の必然だったのか。このあたりを知りたい。 こうなるであろう、という予想による機関投資家の動きと、それにつられる個人投資家の投機…

思考停止という言葉による思考停止

はたから見て、ある人が当然考えるべきと思うことを考えていないことを「思考停止だ」と批判することがよくある。ある主体Aの言動を観察していた主体Bが、主体Aの言動がおかしいと感じる。主体Aが起こす行動はある結果を生むのがあきらかなのに、それを…